薬機法と健康増進法について

薬機法と健康増進法について
【目次】
薬機法とは

薬機法の正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」となり、それを略して「薬機法」と呼ばれます。名称の通り、医薬品、医療機器などの品質と有効性や安全性を確保することを目的として、それにかかわる販売、流通、広告など細かく定められている法律となります。

アフィリエイトサイトで記事を掲載する上でも、この薬機法を守って掲載する必要があります。そのためにアフィリエイトコンテンツの表現方法についてルールを確認して、以下の内容を記事作成時の参考にしてください。
薬機法では「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」「医療機器」「再生医療等製品」の5つが対象となります。
記事を掲載する場合は「虚偽」「誇大」表現をしてはいけません!その範囲を超えて効能・効果があるような表現や商品の成分についても最上級の表現は原則禁止となります。(最高級の成分配合、売上日本一など)記事を掲載する際は、商品の効能・効果が承認された範囲内であるか注意する必要があります。
「虚偽」「誇大」表現とは?
商品の効能・効果の範囲を超えての表現など、誤解を招くような事実とは異なる表現を指します。
薬機法(化粧品)で気を付けたい表現について

まつ毛用の美容液や歯磨き粉、化粧水などのスキンケア用品などが化粧品に含まれます。また薬用せっけん(薬用化粧品)と呼ばれるものは、医薬部外品に分類されます。化粧品の場合は、下記のように56項目の効能・効果の範囲での表現に留め、化粧品として表現できる範囲を超えてはいけません。つまり「肌が白くなる」「アンチエイジング」「シミが消える」という表現は、化粧品の効能・効果として認められていないため効果を超える表現となり薬機法に抵触する恐れがあります。

●記事内で許される表現(56項目の表現)

(1)頭皮、毛髪を清浄にする。 (29)肌を柔らげる。
(2)香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。 (30)肌にはりを与える。
(3)頭皮、毛髪をすこやかに保つ。 (31)肌にツヤを与える。
(4)毛髪にはり、こしを与える。 (32)肌を滑らかにする。
(5)頭皮、毛髪にうるおいを与える。 (33)ひげを剃りやすくする。
(6)頭皮、毛髪のうるおいを保つ。 (34)ひげそり後の肌を整える。
(7)毛髪をしなやかにする。 (35)あせもを防ぐ(打粉)。
(8)クシどおりをよくする。 (36)日やけを防ぐ。
(9)毛髪のつやを保つ。 (37)日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
(10)毛髪につやを与える。 (38)芳香を与える。
(11)フケ、カユミがとれる。 (39)爪を保護する。
(12)フケ、カユミを抑える。 (40)爪をすこやかに保つ。
(13)毛髪の水分、油分を補い保つ。 (41)爪にうるおいを与える。
(14)裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。 (42)口唇の荒れを防ぐ。
(15)髪型を整え、保持する。 (43)口唇のキメを整える。
(16)毛髪の帯電を防止する。 (44)口唇にうるおいを与える。
(17)(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。 (45)口唇をすこやかにする。
(18)(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。 (46)口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。
(19)肌を整える。 (47)口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。
(20)肌のキメを整える。 (48)口唇を滑らかにする。
(21)皮膚をすこやかに保つ。 (49)ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(22)肌荒れを防ぐ。 (50)歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(23)肌をひきしめる。 (51)歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(24)皮膚にうるおいを与える。 (52)口中を浄化する(歯みがき類)。
(25)皮膚の水分、油分を補い保つ。 (53)口臭を防ぐ(歯みがき類)。
(26)皮膚の柔軟性を保つ。 (54)歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(27)皮膚を保護する。 (55)歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(28)皮膚の乾燥を防ぐ。 (56)乾燥による小ジワを目立たなくする。

注1)例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でも可とする。
注2)「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。
注3)( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。

※出典:厚生労働省ホームページより「医薬品等の広告規制について」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/kesyouhin_hanni_20111.pdf

商品レビューの表現も注意
商品レビューなどの体験談は、あくまでも使用感の範囲までの表現に留める。

商品の安全性の保証に関する表現も注意
商品を使用する人によってコンディションは変わるため、誰もが安全に使用できるといった保証については表現はできません。
「安心」「安全」「誰でも問題なく使用できる」などの表現はNG
<表現で避けるべきポイント>
 ※上記56項目の表現から逸脱していないか
 ※他社の商品を誹謗する表現はしていないか
 ※医師や美容師などの医薬関係者・機関による推せん表現を使用していないか
 ※効能・効果、安全性の保証をしているような表現を使用していないか
健康増進法(健康食品)で気を付けたい表現について

健康食品の掲載をするときに合わせて気を付けたいのが「健康増進法」です。
健康増進法は、生活習慣に関わる正しい知識の普及など、国民の効果的な健康増進の取り組みを図る法律です。
その中では、健康食品に関する表示・広告などについても定められています。

健康増進法では、商品の虚偽・誇大表現をすることは禁止しています。
健康食品は直接薬機法の制限を受けませんが、医薬品に含まれている成分と同じ効果が得られるというような表現を行うと薬機法違反となります。
医薬品と誤解を与えるような表現はNG
健康食品やサプリメントは、あくまでも食品です。
例えば病気の症状があり治療を必要とする方が、治療を受けなくてもサプリメントなどの健康食品を飲めば症状が改善すると誤解してしまうと、医師による診断や治療を受ける機会を逃してしまうことになります。
そのため医薬品のように商品の成分が予防や治療に効果があることや、用法用量についても医薬品のように摂取する時期や量、方法などを表現することはできません。
また医薬品と誤解を与えてはいけないことから、病名・症状名の使用もNGとなります。
避けるべき表現の例
  • 糖尿病の治療に有効です
  • 高血圧の方にオススメ
  • 医師が推せんする発毛効果
  • 〇〇で知られる医薬品と同じ有効成分を配合
  • この商品にはアンチエイジング効果があります
  • 薬が苦手の方でも血圧を下げることができます
  • カラダの内側から感じる美白効果
  • 朝夕2粒ずつ食後に飲んでください
表現は抽象的なものにする

目的によって摂取される健康食品の種類も色々ありますが、身体の組織機能の変化や症状改善への効果があるということを暗示(表現)することはできません。効能・効果の直接的な表現は薬機法に抵触する恐れがあるためです。

例えば「アンチエイジング」「疲労回復」「精力向上」などの表現も医薬品と誤解を与えてしまうため注意が必要です。そのため生活シーンをイメージできるような抽象的な表現に置き換えることが重要です。

<抽象的な表現の例>
 ●ビューティーカテゴリ
  若返る、肌が白くなるではなく、エイジングケアハリのある毎日などの表現に置き換える。

 ●ヘアケアカテゴリ
  発毛、頭皮の血行促進ではなく、自信溢れる毎日若々しいなどの表現に置き換える。

 ●ボディメイクカテゴリ
  痩せる、脂肪燃焼ではなく、ダイエットサポート健康維持などの表現に置き換える。

 ●ナイトライフカテゴリ
  ED改善、精力向上ではなく、充実した毎日若さ溢れる日々などの表現に置き換える。

<表現で避けるべきポイント>
 ※事実とは違う虚偽・誇大表現をしていないか
 ※根拠のないランキングを記載していないか
 ※「改善」や「治る」といった、あたかも治療できると誤解を与えるような表現をしていないか
 ※医薬品特有の表現や含まれている成分や栄養素の表示でも、医薬品的な表現になっていないか
 ※医師や学者の談話や学説などを引用し、医薬品的な効能・効果を暗示していないか
その他関係する法律について

アフィリエイトを行う上では、薬機法や健康増進法を含め下記の法律も関わってくるため注意が必要です。

■薬機法
 対象:医薬品、医薬部外品、化粧品など
 商品に関する誇大表示の禁止

■健康増進法
 対象:食品(健康食品
 健康食品の表示・広告などについて定めている

景品表示法
 対象:インターネット上のサイトやブログ、SNS、メールを使った広告(新聞やチラシも含む)
 誤解を与えるような表示の商品やサービス、誇大広告、景品類の最高額などを規制

著作権
 他人の著作物を許諾なく自身の記事へ無断転用することは、著作権侵害となる

さいごに

今回は薬機法と健康増進法について説明をしましたが、表現については注意深く意識していかなければいけません。

紹介する商品によって対象となる法律が異なりますが、例えば健康食品は健康増進法が直接の対象であっても表現によっては薬機法や景品表示法に抵触する場合もあります。
どの商品も共通しているのは「虚偽・誇大」表現をしてはいけないということです。知らないうちに違反となる表現を使っている場合があるかもしれません。化粧品や健康食品は医薬品とは明確に区別した表現を心掛けましょう。

<参考資料>
厚生労働省:医薬品等の広告規制について
消費者庁:健康増進法(誇大広告の禁止)